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SOA

[米国]
ヤフー、SaaSベンダーのジンブラを3億5,000万ドルで買収

ホスティング型Webアプリケーション分野で巻き返しを図る

(2007年09月18日)

 米国ヤフーは9月17日、ホスティング型コラボレーション&メッセージング・アプリケーション「Zimbra Collaboration Suite」などを提供するSaaSベンダーの米国ジンブラ(株式未公開企業)を3億5,000万ドルで買収すると発表した。

 ヤフーは、ジンブラの獲得により、ホスティング型オフィス・アプリケーションの「Google Apps」や「Zoho」、米国シスコが買収したオンライン会議サービス「WebEx」など、Webホスティング型のコラボレーション/コミュニケーション・スイートを展開する企業と肩を並べることになる。

 他のホスティング型アプリケーション同様、ジンブラのサービスも、マイクロソフトの「Office」スイートや「Exchange」のライバル製品に位置づけられる。

 ヤフーがジンブラを買収する目的は、ホスティング型アプリケーションを獲得すると同時に、既存のWebメール・サービス「Yahoo Mail」を強化し、ジンブラが持つ大学や中小企業、ISPといった顧客層を獲得することにもあるようだ。

 ジンブラのアプリケーション・スイートには電子メール以外にカレンダーや住所録管理ツールなどが含まれる。また、ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)がミニ・アプリケーションを追加することができるマッシュアップ・インタフェース「Zimlets」を用意するなど、オープン・プラットフォーム基盤の提供にも取り組んでいる。

 Zimbraスイートのユーザーで、ニューヨークで個人経営のITコンサルティング会社「PGシステムズ」を営むピーター・ギルバート氏は、「ヤフーはすでに全盛期を過ぎた企業であり、復活の望みをかけて片っ端から買収しているように見える」と述べ、複雑な心境を隠せない。

 同氏は、ジンブラがこれまで同様に新技術を開発してリソースを増強し続けることができるように、ヤフーがジンブラの経営にあまり関与しないことを望んでいる。

 「ヤフーは企業として規模が大きく商業化されすぎているのに対し、ジンブラは気骨のある新興企業という印象があった」と語るギルバート氏は、Zimbraスイートを業務に利用しており、みずから顧客に推薦することもあったという。

 同氏は「Yahoo Mail」を仕事に使ったこともあったが、当時は「yahoo.com」のメール・アドレスを使うだけでスパム・フィルタにひっかかることが多いなど、満足できるサービスとは言えなかったと述べている。

 また、Zimbraスイートに移行する以前は、マイクロソフトのExchange Serverを利用した経験もある。しかし、ギルバート氏にとってはホスティング型の文書リポジトリ・住所録管理ツールとしてZimbraが最適であり、最も費用対効果も高かった。

 ヤフーがこれからジンブラの技術にどのような投資を行うかは未知数だが、ニュークレアス・リサーチのアナリスト、レベッカ・ウェットマン氏は、ヤフーはジンブラの技術を核にホスティング型アプリケーション・ビジネスに対し本気で取り組んでいくと見ている。

 「ヤフーは小さな企業の持つ新しいアイディアや機動力をうまく活用している。引き続きこうしたイノベーションを取り入れていくことが必要だ」(ウェットマン氏)

 ジンブラは今回の買収に関するQ&Aを同社のWebサイトに掲載し、既存の顧客には特に影響は出ないと説明している。

 同社の創設者の1人でCEOのサティーシュ・ダラマージ氏は引き続きジンブラ・チームのトップを務め、CTO(最高技術責任者)のスコット・ディーツェン氏、共同創設者であるロス・ダガーヒ氏とロナルド・シェマース氏も新たな組織でそのまま活動を続ける。

 Zimbraアプリケーション・スイートにはいくつかのバージョンがあり、サーバ・ソフトウェアとして自社のサーバにインストールする方法のほかに、ジンブラのパートナーがホスティングするサービスにアクセスすることも可能だ。

 ジンブラの各サービスの価格は、バージョンや登録ライセンス数、オプション・コンポーネントなどにより異なる。同社の従業員数は約100名だが、顧客ユーザーは50カ国以上に及んでおり、有料メール・ボックスの数は900万アカウントを超える。

 なお、買収は2007年第4四半期までに完了する見通しで、ジンブラは買収成立後、ヤフーの子会社となる。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)




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