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再び注目が集まるCDN(コンテンツ配信ネットワーク)
SaaS時代を迎え、存在感を強めるCDNプロバイダー
(2007年12月06日)
他のサービスとのパッケージ化でCDNはコモディティへ
CDN市場には、ISPのほか通信キャリアも参入している。なかでも米国AT&Tは、数年来CDNを同社のホスティング/ネットワーキング・サービスのオプションとして提供しており、この組み合わせはCDN単体よりもパフォーマンスがすぐれると主張している。
AT&TのグローバルIPネットワーク・サービス担当バイスプレジデント、ローズ・クリモビチ氏は、アプリケーション配信をより最適化するには、自社でホスティングするよりも、AT&Tのホスティング・センターを利用したほうが効率的とアピールする。「当社はキャリアならではの独自のネットワーク最適化技術を持っている。また、当社はTier1 ISP(注1)であるため、他のネットワークとの接続性も高い。ホスティングからネットワークまで最適化をサポートできるのが当社の大きな強みだ」(クリモビチ氏)
注1:Tier1 ISP:世界規模の広帯域IPバックボーンを保有し、インターネットの品質を上流のプロバイダに頼ることなく、みずからコントロールできるISP(Internet Service Provider)のこと
CDNプロバイダーも、AT&Tと同様、CDNと他のサービスをパッケージ化して提供する動きを見せている。例えば、ナビサイトは全米の9つのサイトで、中堅企業向けのコロケーション・サービスをはじめ、専用ホスティング、アプリケーション管理、SaaS、アプリケーション開発などのサービスが含まれるスイートの一部としてCDN/ADNサービスを提供している。ちなみにナビサイトは、コンテンツのキャッシングだけでなく、ホスティングされているデータ・ソース全体を他のロケーションに複製する、独自のルーティング最適化技術も持っている。
ほかにも、デジタル著作権管理(DRM)や認証、外部検証、ルール/ロール・ベースのアクセス、コンテンツ管理、ライブ・イベント制作、アカウント管理といった付加価値サービスをパッケージ化し、コンテンツの作成から管理、高速化までサポートするといった動きも活発化している。例えば、アカマイは2006年11月にストリーミング・メディア向けツールの開発を手がける米国ナイン・システムズを買収し、同社のメディア管理フレームワークを獲得した。アカマイでは今後、同フレームワークを利用して顧客がより効果的にデジタル資産を管理できるサービスを展開する計画だ。また、バイタルストリームはライブ/オンデマンド・ストリーミング放送に特定の視聴者層をターゲットにした広告を挿入する新サービスを開始しており、広告キャンペーン管理、広告結果リポーティングといったサービスも展開している。さらに、ローカル・ミラーもイベント制作、放送、ビデオ・エンコーディング/変換の総合サービスをCDNサービスと共に提供している。
CDNは最終的に、広範なサービス・パッケージに付加されることで、コモディティになる可能性がある。したがって、企業のITマネジャーは、コンテンツ配信の可用性とレイテンシの問題に対処するためにデータセンターを新設することが、必ずしも最善の解決策にならないことを心に留めておくべきである。
COLUMN 3
アカマイ、「Webコンテンツの付加価値配信」を武器に日本市場での展開を強化
Computerworld編集部
米国アカマイ・テクノロジーズの日本法人アカマイは、「世界最先端のWebコンテンツ配信サービスの提供」「テクニカル・パートナーとの協業による直販の強化」を柱とする事業戦略を2006年7月から展開している。
同社はこの事業戦略を推進することで、2003年の「アカマイ・テクノロジーズ・ジャパン」の解散後、米国本社のサテライト・オフィス的な役割でしかなかった日本法人を、オフィスと人的基盤の両面で整備し、パートナーと共に日本市場での売上げを拡大していきたい考えだ。
すでに同社は、主力サービスの「Web静的コンテンツ配信サービス(EdgeSuite)」を正規販売代理店経由で幅広く展開しているほか、イーシー・ワン、Jストリーム、NEC、ネットマークス、ビジネス・アーキテクツの5社から技術面での支援を受け、配信の高速化やコンポーネントのプラットフォーム上での処理など、Webコンテンツの付加価値配信を支援する「Application Performance Solutions」を国内メディア・エンターテインメント市場、eコマース市場、ハイテク市場などを中心に展開しており、これら5社との協業で直販も強化している。
Application Performance Solutionsは、「Web Application Acceleration」「Dynamic Site Acceleration」「On-Demand Application Platform」の3つのサービスで構成される。
Web Application Accelerationは、事業者間向けの動的コンテンツ配信の加速サービスで、トラフィックの混雑を避ける「Sure Route技術」、TCP/IPの最適化技術、Pre-fetching(先読み)技術などを組み合わせている。Dynamic Site Accelerationは、事業者と一般消費者間向けの動的コンテンツ配信の加速サービス。On-Demand Application Platformは、Webアプリケーション・サーバ上にあるコンポーネントの一部を、アカマイの分散型プラットフォーム「Edge Platform」上で処理できるようにするソリューションとして提供されている。
アカマイによると、Application Performance Solutionsを利用することで、ワールドワイドでの動的コンテンツ配信や、国別の地域限定配信などのような付加価値配信を、携帯電話向けも含めて実現できるという。
なお、アカマイのパートナーの1社であるNECでは、対災害性の向上やセキュリティ強化を図ったWebサイト構築、運用サービスを展開しているほか、Jストリームはストリーミング・サービスに、ビジネス・アーキテクツはWebコンテンツ構築にアカマイの技術を活用している。
アカマイが初めて日本市場に上陸したのは2000年1月。米国本社とソフトバンクとの合弁で、アカマイ・テクノロジーズ・ジャパンが設立され、ソフトバンクグループの一員として同社グループの日本市場におけるeコマース事業拡大攻勢の一翼を担った。だが、その後ソフトバンクはADSLサービス「Yahoo!BB」の開業を皮切りに通信事業の重点化を進め、2003年には米国アカマイとの資本提携を解消、アカマイ・テクノロジーズ・ジャパンは、米国本社の100%子会社「アカマイ株式会社」となって現在に至っている。
ソフトバンクはアカマイと資本関係はなくなったが、販売代理店としての協業は続けている。ほかにもアカマイは日本IBM、NTTコミュニケーションズと販売代理契約を結んでいる。
アカマイは日本市場での営業戦略として、代理店販売と直販の両面を強化していく方針を掲げている。また、携帯電話向けではすでにインデックス、サイバードと提携、同じプラットフォームでコンテンツ配信しているが、今後は特殊なソリューション開発も視野に入れながらコンテンツを追加していくほか、第4世代携帯電話向けの対応も検討しているという。


























