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[米国] 【FASTforward'08】
FastのCEO「Microsoftによる買収は、すぐれた検索を広範に提供できるチャンスだ」

年次コンファレンス「FASTforward'08」でシナジーを強調

(2008年02月19日)

 2月18日、ノルウェーのエンタープライズ検索ソフトウェア・ベンダー、Fast Search&Transferの年次ユーザー・コンファレンス「FASTforward'08」が開幕した(米国フロリダ州オーランド/20日まで)。この日、オープニング・スピーチを務めた同社CEOのジョン M.レルヴィック(John Markus Lervik)氏は、エンタープライズ検索の可能性について言及した後、1月に発表されたMicrosoftによる同社の買収についても触れた。
 

カカクコム、NTTデータなど日本企業も参加

 FASTforwardは、今年で4回目との開催となる。同コンファレンスには、世界30カ国以上から1,500人を超えるユーザーが参加し、エンタープライズ検索がビジネスにもたらすインパクトなどが語られる。

 今年のテーマは「The User Revolution」。情報量が加速度的増大を続けるなか、エンタープライズ検索は企業(User)にどのような価値を創造し、変革(Revolution)をもたらすのかが、多角的な視点から語られる予定だ。Fastによると、同コンファレンスでは約60のセッションが開かれ、世界30カ国以上から1,500人を超えるユーザーが参加するという。

FastのCEO、John Markus Lervik氏は、「FastとMicrosoftの互いの技術を組み合わせれば、両社の顧客に幅広いソリューションを提案できる」と、買収によるメリットを強調した

 エンタープライズ検索プラットフォーム「FAST ESP(Enterprise Search Platform)」をはじめとするFastの検索ソリューションは、世界2,600社以上で導入されているという。日本でも、リクルート、カカクコム、ミサワホームなどが同社のFAST ESPを採用している。ちなみに今回のコンファレンスには、日本からもカカクコム、NTTデータ、楽天ファスト・モバイルサーチなどが参加している。

 FASTforwardというカンファレンスを特徴づけるのは、セッションに登壇するスピーカーの顔ぶれである。例年、一ベンダーのコンファレンスでありながら、同社の製品紹介よりも、インターネット分野のテクノロジー・リーダーや各業界の専門家たちがそれぞれのテーマを洞察し、参加者とアイデアを共有することに主軸が置かれている。今回も、メディア、エンターテインメント、通信、小売り、広告、金融、政府機関、調査会社などのエキスパートが、各業界のエンタープライズ検索技術の活用状況や将来像について語ることになっている。
 

ベストセラー『Wikinomics』の著者、Don Tapscott氏は、「Web 2.0が企業に与えるインパクト」をテーマに語った

Lervik氏「買収後も独立して技術開発を行っていく」

 コンファレンス初日の2月18日、オープニングのスピーカーとして登壇したFastのCEO、ジョン M.レルヴィック(John Markus Lervik)氏は、「今日、エンタープライズ検索技術は、すべてのアプリケーションの“核”となっており、ユーザーと情報/サービス/製品を結ぶ中心的役割を果たしている。また、人と人、人とコミュニティとを結ぶ役割も担っており、そこから新たなイノベーションが生まれる。明日から開催されるセッションで、イノベーションの可能性をぜひ見つけてほしい」と語った。

 Lervik氏に続いてオープニングの基調講演に登壇したのは、「エンタープライズ2.0」の提唱者である米国Harvard Business School教授のアンドリュー・マカフィー(Andrew McAfee)氏と、『Wikinomics』の著者であるドン・タプスコット(Don Tapscott)氏である。McAfee氏は、「エンタープライズ2.0が企業もたらす変化」をテーマに、Tapscott氏は「Web 2.0が企業に与えるインパクト」をテーマについてそれぞれ語った。

Harvard Business School教授のAndrew McAfee氏は、「エンタープライズ2.0は、企業どうしの“差異”が明確になる技術であり、導入には課題も多い」と語った

 もう1つ、今回のコンファレンスで注目されているのは、Fastの今後である。米国Microsoftは今年1月8日、Fastを12億ドルで買収すると発表している(関連記事)。Fastの取締役会はこの買収提案を全会一致で賛成しており、買収手続きは2008年第2四半期中に完了する見通しとなっている。

 Microsoftによる買収についてLervik氏は、「買収は、われわれの株主にとっても有益であり、公正なものだと考えている。Microsoftは多数の顧客を抱えており、その顧客に対してFastのすぐれた検索技術を提供できることは、われわれにとってもメリットがある。FastはMicrosoftのエンタープライズ部門に配属されるが、(買収後も)独立して技術開発を行っていく」と語り、当面は独立した形で検索プラットフォームを提供していくことを強調した。
 

Fast/Microsoft製品のすみわけ

 すでにMicrosoftは、エンタープライズ検索の機能を包含する「SharePoint Server」、エンタープライズ検索機能のみを提供する「Search Server 2008」を販売している(関連記事)。このコンファレンスに参加している米国Microsoftエンタープライズ検索グループ製品マネジャーのジャレド・スパータロ(Jared Spataro)氏に買収後のエンタープライズ検索製品ロードマップについて尋ねたところ、「ハイエンド向けがFast ESP、ミッドレンジ向けがSharePoint Server、ローエンド向けがSearch Server 2008という製品ラインアップになる」とのことだ。

 同氏によると、Fastの持つ技術は段階的にSharePoint ServerやSearch Server 2008に統合され、「できるだけ早い段階」で、1つの検索プラットフォームとして提供される予定だという。

 「Fast ESPがMicrosoftの製品ラインアップに並ぶことで、顧客はハイエンドからローエンドまで、自社の規模に合ったエンタープライズ検索を選択できる。現時点ではハイエンドのエンタープライズ検索製品名は『Fast ESP』を予定しているが、将来的に(名称を残すかどうか)はわからない」(Spataro氏)

 ちなみにSearch Server 2008は、日本国内では未発売の製品だが、Spataro氏によると日本でも「もうすぐ」発売される予定だという。

 なお、19日は、エンタープライズ検索の導入企業を中心に、25のセッションが行われる予定だ。

(鈴木恭子/Computerworld)




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