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ワークスタイル革新
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【事例研究】
ワークスタイル革新に秘策あり――日本企業の事例に学ぶ[前編:フジタ製薬]
フリーアドレス制とIP電話の導入で生産性向上を実現
(2008年09月30日)
他部門の雰囲気を身近に感じられることもフリーアドレスによって得られる大きな効果の1つだ。仕切りのないフロアで仕事をしていれば、他部門に依頼するにも適切なタイミングで声をかけることができる。情報共有や意思決定と言うと大げさかもしれないが、わざわざ正式にメンバーを集めなくても、カジュアルなちょっとしたミーティングを行うだけでスムーズに仕事が進められることもあるだろう。「社員の動きや表情を自然にうかがえるのもフリーアドレスのメリットの1つだ。それらが業務上すばやいアクションにつながるケースもある」(松山氏)
加えて同社では、社員どうしの表情を確認できるコミュニケーション・システムとしてビデオ・テレフォニーを導入している。これにより、内線通話時には、PCに取り付けられた小型カメラによって映し出される通話相手の“顔”を互いに確認しながら通話できる仕組みが提供されている。松山氏は、ビデオ・テレフォニーについて、「通話相手の顔が見えるようになってから、お互いに笑顔から会話が始まり、表情から細かなニュアンスも伝わるので、会話がよりスムーズに進むようになった」と評価している。
IP電話導入でもたらされる“メリット”と“デメリット”
フジタ製薬がIP電話化を通じて得た効果は、下記の3つに集約することができる。
(1) ワークスタイル革新のさらなる強化
(2) フェース・ツー・フェースのコミュニケーションの拡充
(3) 顧客対応力の向上
(1)は、同社が従来から追求してきた「どこでもオフィス」構想の範囲をさらに広げたことを指している。同社はこれまでもVPN(Virtual Private Network)を構築し、リモートの端末から社内の情報システムにアクセスして申請/承認を行える仕組みを整え、ワークスタイル革新を推進してきたが、オフィスのワークスタイル革新は未着手のままだった。だが、IP電話への移行と電話受付の一本化を実現したことで、これまでオフィス・ワーカーの生産性を阻害していた電話の取り次ぎ作業を廃し、従来のワークスタイルを一変させることに成功した。
(2)は、社員間の豊かなコミュニケーションの実現とも言い換えられるだろう。フジタ製薬では、各部門に割り当てられてた部屋から、オープンなスペースで働く環境にしたことで、一般の社員だけでなく、部長らもタイムリーに顔を突き合わせてコミュニケーションを取れるようになったという。また、コラボレーション・エリアが設置されたことで、これまで以上に気軽にミーティングが行えるようになったことも業務に大きく寄与している。
(3)も大きな効果だ。前述したように、同社では工場にかかってくる電話も含めて外線の受付を本社で一括して対応する仕組みとした。そこにプレゼンス機能を組み合わせたことで、社員のステータスに応じた対応が行えるようになったわけだが、それによって顧客対応のレベルの均質化も図られた。
このように、フジタ製薬はフリーアドレスとIP電話をセットで導入することで、社員のワークスタイルを変革し、業務生産性を向上することに成功している。しかしながら、その技術基盤となるIP電話の導入は、IT部門に新しい負荷をもたらすため注意が必要だ。というのも、従来、PBXの保守は通信設備会社が担っていたが、IP電話はサーバで運用するため、サーバOSのサポート期限や機器の障害対策といった責任をIT部門が持つことになる。佐々木氏もIP電話を導入したことで、「通信機器の保守の考え方が変わった」と語っている。このように、IP電話を導入する際には、IT部門は、徹底した冗長化による通信品質や信頼性の確保といった電話としての機能要件に配慮することに加えて、運用フェーズでIT部門自身に新たな業務が加わる可能性が高いことを視野に入れておくべきだろう。([後編:ザ・ボディショップ]に続く)
【事例研究】ワークスタイル革新に秘策あり――日本企業の事例に学ぶ[後編:ザ・ボディショップ]


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