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【連載】
エンタープライズ・オープンソース [ベスト・セレクション]
第8回 開発ツール
(2008年04月30日)
接戦を繰り広げるRIA分野の2大ツール
デスクトップ・アプリケーション並の操作性をWebブラウザ上で実現するRIAは、大きく2つの陣営に分けることができる。1つが、大多数のAjaxツールキットと同様にDHTMLを採用するもの、もう1つが、Flashを採用するものだ。ここでは両陣営のリーダーを表彰することにした。
Flashアプリケーションは、ブラウザ間の非互換性に影響されやすいAjaxアプリケーションの制約を克服することができる。Flashで記述されたRIAは、ほぼすべての主要プラットフォームおよびブラウザ間で互換性があり、「1度書けばどこでも動く」のが特徴だ。なお、Adobe Systemsによると、Flash Playerの普及率は世界の全市場で約90%だという。
Flashアプリケーション向けの最も有力なRIAツールキットは、Laszlo Systemsの「OpenLaszlo」と、Adobeの「Flex」の2つである。OpenLaszloもFlexも、当初は商用製品だった。Laszloは2004年にOpenLaszloをオープンソース化してリリースした。
2005年のMacromedia買収によりFlexを獲得したAdobeも2007年4月、Flex SDKをオープンソース化し、MPL(Mozilla Public License)に基づいて提供する計画を発表した。Adobeによると、Flexは2008年の初めまでに完全なオープンソース・プロジェクトに切り替えられるという。なお、2007年6月にベータ版が公開された「Flex 3.0」には、RIA実行環境「Adobe AIR(Adobe Integrated Runtime)」のサポートや、EclipseベースのIDE「Flex Builder」(注1)の搭載など、いくつかのユニークな機能が追加されている。
注1:Adobeによると、Flex Builderは今後も無料で提供するが、オープンソース化する予定はないとしている
OpenLaszloとFlexを比較すると、いくつかの要素でOpenLaszloが有利である。例えば、Flexは強力な製品だが、オープンソース・プロジェクトとしてはまだ完全に機能しておらず、OpenLaszloのようなコミュニティが存在しない。また、OpenLaszloのスキルを持つ開発者は簡単に見つけられるし、大型のアプリケーション開発がいくつも行われていることも、コード・ベースが安定、成熟し、テスト済みであることを意味する。OpenLaszloコンパイラを使って、1つのソースコードからFlashとDHTMLいずれのGUIも生成できるのも魅力だ。
接戦ながら現時点ではOpenLaszloが多少リードしていることから、RIA開発分野では同ツールをBOSSIEに選定した。
Ajax分野は最古参のツールが受賞
近年のAjaxアプリケーション開発の爆発的な増加に伴い、オープンソースのAjaxツールキットも多数登場した。それらをふるいにかけると、半ダースほどの“金塊”が姿を現す。「Dojo」、「Rico」、「Prototype」、そしてGoogle、(厳密にはオープンソースではないが)Microsoft、Zimbra、Yahoo!のツールである。
BOSSIEは、それらの中でも最古参である「Tibco General Interface」に与えられた。Tibco SoftwareがBSDライセンスと商用ライセンスで提供している同ツールは、フル機能のIDEを装備するなど、もっぱらエンタープライズ開発を主眼としているのが特徴だ。これにより生成されるアプリケーションは、ネーティブのデスクトップ・アプリケーションとほとんど見分けがつかない。
CIサーバの大本命「CruiseControl」
「CI(Continuous Integration)」と呼ばれる継続的インテグレーションとは、最近、ソフトウェア開発において広く採用され始めたベスト・プラクティスである。これは、既存のコード・ベースから最終製品まで、コードに変更を加えるたびに常にビルドを行うことで、インテグレーション時の問題やリスクを速やかに特定することが可能になるという考え方だ。
CIの仕組みの核となるCIサーバは、ビルドを自動化し、プロジェクトの品質について広範かつ詳細なリポートを生成する。これらのリポートは一般にイントラネットで公開され、開発チームが直ちに修正すべき個所を特定したり、さまざまな測定基準で進捗を評価したりするのに役立てられる。
比較的最近の登場にもかかわらず、オープンソースのCIサーバはすでに数多く提供されている。なかでもダントツの信頼性を誇るのが「CruiseControl」である。さまざまな開発ツールとの連携をサポートし、Java、Ruby、.NET上で動作するバージョンも提供されている。
また、ソースコード管理システムやビルド・システム、リポート・ジェネレータなどの機能も豊富に装備する。その高い信頼性と拡張性から、Agitar Softwareなどのようにツール・ベンダーがCruiseControlを自社製品に組み込むケースも増えている。今後、企業の間でCIの有効性についての認識が広まるにつれて、CruiseControlは、他のCIソリューションを評価する基準となるはずだ。
- 関連キーワード
- NetBeans IDE│Adobe Flex│OpenLaszlo│Tibco General Interface│CruiseControl│オープンソース│ソフトウェア開発│リッチ・クライアント
- エンタープライズ・オープンソース [ベスト・セレクション]
- 第1回 業務アプリケーション
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- 第5回 モニタリング
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- 第7回 開発言語
- 第8回 開発ツール



